導入事例

i-con2.0共創事業事例

CAD図面からの情報抽出を自動化!膨大な手作業カットでデジタルツイン構築を支援

社名
神戸大学都市安全研究センター様
設立
1996年
従業員
-
事業内容
都市の防災・減災に関する研究
所在地
兵庫県

Before

図面の記法がバラバラでスペック情報抽出に多大な手間が発生

港湾区域のデジタルツイン構築において、構造物の種類や数が多いことが課題となっていた。図面の記法が統一されていないため既存のプログラムでは対応が難しく、設計図から手作業で必要な数値を抜き出してシミュレーションに使える形にするまでに、非常に多くの手間と時間がかかっていた。

After

CAD図面からの情報抽出の自動化で、シミュレーション準備を大幅に効率化!

KENCOPAとの協業により、ラスタ化した図面からAIにより構造物のスペック情報を自動で抽出するツールを開発。生成AIの柔軟な対応力によって多様な種類の図面を統一的に扱えるようになった。情報抽出にかかっていた手間が解消され、シミュレーション準備の工程が大幅に効率化された。

安全な都市環境を目指して。『都市丸ごとシミュレーション』の挑戦

神戸大学都市安全研究センターは、安全かつ快適な都市環境の実現を目標に防災・減災に関する研究に取り組んでいる。

2017年頃より構想が始まった『都市丸ごとシュミレーション』は、自然災害のリスク軽減において肝となるプロジェクトである。インフラ施設や公共構造物のデジタルツイン(現実の都市環境をデジタル空間上で忠実に再現したもの)を構築し、災害が発生した時の状況をシミュレーションすることがプロジェクトの目的だ。

大石教授「『都市丸ごとシュミレーション』は、災害が起きた時に都市がどのような被害を受けるのか想定するための取り組みです。プロジェクトにあたっては、都市のデジタル化とシミュレーションプログラム開発の2つを軸に進めています。」

災害対策にあたって、特にシミュレーションの必要があるのが港湾区域であるという。

大石教授「港湾は災害復旧の際の物流を支える上で重要な区域になりますが、地震等の場合は港湾自体が壊滅しやすいという問題があります。金額ベースでは、物流の停滞による損害が地震による直接の損害を上回ることもあるので、災害時の港湾の様子をシミュレーションすることが非常に重要です。」


膨大な量の図面がデジタルツインの構築を阻む

南海トラフ等の大型地震も懸念される中で、ますます社会的意義の高まる『都市丸ごとシュミレーション』の取り組みであるが、港湾区域のデジタルツインを構築するにあたって大きな問題を抱えていた。

大石教授「港の構造物は種類と数が多く、古くに建築されたものも多いです。設計図を1枚ずつ見てデジタルツインに起こすのは現実的ではありません。図面から寸法などの数値を吸い出すロジックプログラムも扱っていたのですが、図面の記法が統一されていないので対応が難しかったです。」

そんな中、神戸大のOBが所属していたことからKENCOPAの存在を知った。

大石教授「生成AIを活用した事業を展開していると聞き、依頼することを決めました。柔軟な対応ができる生成AIであれば、書き方が一様では無い図面も扱えるのではないかと。」


CAD図面からの情報抽出を自動化!シミュレーション準備を大幅に効率化

KENCOPAとの共同により、ラスタ化したCAD図面からAIにより構造物の情報を抽出する環境のプロトタイプが開発された。

大石教授「これまではCAD図面から必要な数値を抜き出してシミュレーションに使える形にするだけでかなり手間がかかっていました。この点を解消するため、こちらが指定するスペック情報をCADから抜き出してもらうツールを依頼したのですが、期待通りの成果物がいただけたと思います。」

今回のKENCOPAとの協業について、大石教授はこう語る。

大石教授「今回の取り組みでは、初めにゴールをきちんと定めていただけた点が良かったです。入力データや出力形式を明確にしたことで問題設定がシンプルになり、共通認識を持って開発を進められたと思います。」


産学連携で挑む、社会価値の創出

防災という重大な社会課題と向き合う『都市丸ごとシュミレーション』とKENCOPAの共同の今後について、大石教授はこう語る。

大石教授「今回はCADデータを扱いましたが、究極的には紙の図面をデジタルデータにすることが目標になるのかもしれません。今回のプロジェクトを通じてこちらのノウハウも共有できてきましたので、今後の研究の中でもご協力をお願いできればと思っています。」

産学連携を通じて、大きな社会価値を生み出す。プロジェクトの今後に是非ご期待いただきたい。

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